川北英隆のブログ

ドローン墜落事件と原発破壊

ドローン(無人飛行機)が首相官邸に落ちていたとか。あちこちで大騒ぎになっている。微量の放射能も検出されたという。想定外だったのだろう。それで思うのは、原発にも想定外がありうることだ。
ドローンに関して、政府は慌てて規制を検討しているらしい。ドローンについてネットで見ると、数千円から数万円で買える。子供の頃、空飛ぶものを操縦したかったが、それが今は安価に手に入る。しかも、その玩具が武器となりうる。
故意か単なる事故かは別にして、一国の首相が暗殺されかねない大きな想定の穴があったわけだから、規制は仕方ないだろう。安倍ちゃんにすれば、「お前らドアホか、何をぼやぼやしとるんや」(関西人やなかったな)ということになる。新聞報道によると、先進国で、日本ほどドローンに対する規制が未整備な国はないとも報じられていた。
それとこれとは別だが、役人と話をしていると、彼らの世界では「想定外」というのが最近の言い訳の常套句になっているとか。「ワテらは英知を尽くして考えていたが、その英知の外にあった」というわけだ。「そこでいう英知って、凡人の低いレベルやろ。アンタらは試験に合格した秀才のはずやのに、何でその英知の水準がえらい低いのや」と、誰か皮肉るべきである。もう少し言うと、想定外、粛々、遺憾なんて表現に何の誠実さも感じられない。コギャルのカワイイ、ヤバイと同水準か。
ドローンに話しを戻すと、原発もそれと同じことである。安倍ちゃんにすれば、自分に迫ってこない危険だから、「原発、アホか」とはならないが、想定外のミサイル攻撃があったらどうするのか、誰が責任をとるのか(想定外だから、誰も責任をとらないだろうが)と、改めて思ってしまう。
たとえば、北の将軍がミサイルを眺めながら、「この玩具の実力を見たい」「ちょうど向いにええ標的があるやん」なんて、思いもしないだろうと考えていると(そこまで考えられるだけでも偉いかな)、それが大きな想定の穴となりうる。
活断層がどうのこうのと議論するのと同様、他国との緊張関係も想定に入れ、原発の稼働を議論すべきだろう。活断層が活動する確率と、海外との戦争関係が勃発する確率と、どちらが大きいのか。数十年単位だと後者の方が大きいかもしれない。

2015/04/24


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