タイからラオスへと案内してくれたF氏は、以前からノンカイ付近からのメコンの夕暮れが素晴らしいと説明してくれていた。このこともあり、「ほな、一回見て見よか」と訪れたわけだ。
写真はビエンチャン側からのメコンの夕暮れである。ゆっくりと雨季が近づいているようで、西北に大きな入道雲があった。この前日はもっと晴れた「悪い天気」で、かつ満月だったから、月は東に日は西にの世界だった。僕らはメコンの堤防に腰掛けながら、近くで買ったビア・ラオの大瓶をラッパ飲みしながら夕涼みしていた。
思い出したのは、コンビニで買ったビア・ラオが9000キップ(140円)で「安い」と喜んでいたのに、「そうそうコップがいるやん」とコーラ類だったかを入れる発泡スチロール風のコップを「タダやろ」と勝手に手にしてレジに並んだところ、「そのコップ、7000(110円)」と言われたことである。ビールほどするコップに度肝を抜かれ、「ええっ、ほなええわ」と、ビールはラッパ飲みと決めた。ラオスにはまだまだ工業化の波が押し寄せていない証拠である。
メコンの夕暮れに飲むビールは最高だった。ビエンチャンの住民も夕暮れのほんの少し涼しい風を楽しんでいた。堤防に人が集まるものだから、マニュキュアを塗れとか(女はもちろん、こっちはニューハーフでもないのに、男にも平気で声をかけてくる)、焼いたスルメはどやとか、五月蝿いのだけが玉に瑕だが。
2015/05/21