「メコン圏 タイ国境沸く」と今日の日経(9面)にあった。半分は本当かもしれないが、半分は「見てきたような嘘」だと思う。というのも、この記事には僕らが5月初に訪問したノンカイも登場しているから。
タイ側の国境の町、ノンカイのことはブログに書いた。ラオスの首都、ビエンチャンと結ぶ橋がメコン川に架かっている。
しかし、僕らが訪問したときには税関を通るトラックの数は多くなかった。ビエンチャンとノンカイを結ぶ「国際バス」の本数も多くない。むしろ、タイの自動車は日本と同じ左側通行、ラオスは右側通行という交通規則が、「ほんまに運ちゃん、ちゃんと運転するんかいな」との一抹の不安を生み出すものの、交通量が多くないので大丈夫なようである。
タイの期待は、メコン流域というよりもミャンマーとの交易かもしれない。今は国境を越えるきちんとした道路が確保されていないものの、タイの国境の町、メーソートに向けて、現在ミャンマー側が大工事中らしい。これを3月に見に行きたかったのだが、宿題として残っている。
タイでの3Kの労働力の多くはミャンマー人とのことである。タイ自身は豊かになり、しかも老齢化が進んでいる。だから、人口の多い隣国ミャンマーからの労働力が欠かせない。ミャンマーからも、大量の出稼ぎ労働力の提供ニーズがある。そのミャンマーの先にはインドが近い。
ついでに書くと、タイではバンコクからチェンマイやノンカイへの高速鉄道の計画が進んでいる。ノンカイはビエンチャンと至近距離だし、メコンの上流、昆明からは中国が触手を伸ばそうとしている。これらの間を鉄道で結ぶのは、タイというよりも中国の戦略だろう。決してメコン流域の国、人口が少なくかつ海のない国、ラオスが本命ではない。
2015/05/27