カナリア諸島を知り、その位置がモロッコの横だと確認して以降30年間、熱帯の暑い島と想像していた。ところが、実際は常春のようだ。中心の町、サンタ・クルスの月平均気温が18度から25度である。
最高気温(月平均)の最高値は29度、最低気温の最低値は15度だから快適である。難を言えば降水量が少ないことか。もっとも、北部は北東貿易風が吹き付けているので霧が発生しやすい。実際、カナリア諸島にいた間、北部には低い雲がかかり、南部はからりと晴れるという状態が続いていた。緯度は沖縄くらいだから、日差しが強いものの、陰に入ると気持ち良かった。
以下、Wikipedia(英語版)の情報を交えて書くと、人口は211万人(2011年)、平地が少ないので、段々畑が発達している。しかし、その多くは使われなくなっているようだった。自給のための野菜作りと、産業としてのバナナ、ブドウの栽培が目立った。現在は観光が主要な産業のようである。年間900万人から1000万人が訪れるそうだ。人口と比べて観光客が非常に多い。ヨーロッパにとっての避寒地なのだろう。
住民の多くはスペイン系である。元々、アフリカ系の住民が住んでいたのだが、大航海時代にスペインが入り込み、混血も進んだとのことである。スペイン系だから魚料理も多く、美味い。野菜も、どこから来るのかはともかく(現地ガイドは島で作っていると言っていたが、旅行した範囲内でほとんど野菜畑を見ることがなかった)、豊富だった。
スーパーで買い物をしたところ、ユーロ圏にかかわらず物価は高くない。水道光熱費は高いと思うが、空調がほとんど不要となると、そんなに気にするほどのことはないのだろう。
日本に近く、車の運転ができれば、カナリア諸島で暮らすことも老後の選択肢としてあるのだろうが、残念ながら地の果てほど遠い(今回は、ドバイ、マドリード経由で島に入ったので、飛行機に乗ってるだけで21時間かかった)。
多分再訪することはないだろうと思っていたら、何とポルトガルの最高峰はカナリア諸島の北方、アゾレス諸島にあるという。ひょっとして、もう一度近くに行く機会が生じるかもしれない。
2015/06/07