山を歩くと動物の活動した跡が目立つ。さらに鹿を見ることが増えている。かつて大文字山での鹿は鳴き声程度だったが、最近では年に数回は見るだろうか。そこで思い出すのが奈良公園だ。
子供の頃から高校時代まで、奈良公園の鹿は身近だった。中学や高校からの帰り、公園を横切って国鉄奈良駅まで歩いたから、毎日ほど(少し大げさかな)鹿を見ていた。友達で、「鹿の背中に乗ろう」と言って、それを実行したのもいた(僕が見た限りではうまく乗れなかったが)。その友達が裁判官になったのだから、世の中は進んでいた。
昔、野山にいた鹿は食べられたのだろう。だから、「鹿は神の使い」として春日大社が保護したことに意味があったと思う。その後、鹿が奈良公園のシンボルとなり、観光資源となった。生きたゆるキャラみたいなものか。
しかし、日本各地で鹿や猪の異常繁殖が問題になる現在、奈良公園の鹿をどう考えればいいのか。公園の背後にある春日山(原生林)では植生への大きな影響がある。近郊の農家では鹿に作物を食べられることもある。猪(猪豚も含め)はカタキで、鹿はOKということでもあるまい。
そのうち、奈良公園名物、鹿肉のバーベキューなんてものが出てくるのか。それとも、鹿せんべいの横で、鹿肉せんべいが売られるのかも。何て言ってると、春日神社のバチが当たるかもしれないが。
2015/06/10