カナリア諸島の植物で一番関心があったのは、実は竜血樹である。ロンドンのキューガーデンで竜血樹の若木に出会い、調べると、イエメンとカナリア諸島に竜血(赤い樹液)の取れる木があるという。
イエメンの竜血樹が素晴らしかったので、カナリア諸島のものも楽しみにしていた。しかもカナリア諸島の竜血樹はdracaena dracoという名が付いており、dracaena もdraco もともに竜を意味している。どちらかが雌の竜ということだったが、調べていない。
しかし、そのカナリア諸島の竜血樹だが、イエメンと異なり、自生のものがほとんど残っていないようだ。
写真のものはテネリフェ島イコッドという町に残る樹齢500年とかの竜血樹の大木である。右下にエキウムの花の房がある(確か、咲き終わっていた)。
写真でもある程度推察できるように、周りは庭園となっている。この庭園、樹齢500年の竜血樹を売りにしている。庭園の中で自生と思える竜血樹はこれ1本だけである。
カナリア諸島で竜血樹の生える地域は開墾されてしまい、あまり役に立たない竜血樹を伐採してしまったに違いない。移動中、何本か、大きな竜血樹を見たものの、それ以外はほとんど若木だった。若木は観光用に植えられたと思える。若木のほとんどなかったイエメンとは逆である。
2015/06/13