カナリア諸島は植物には固有種が多い。エキウムと竜血樹をすでに紹介した。この2つは予定されていた。しかし、この2つを見る前に突如として登場したのがアエオニウムである。
アエオニウム属 (aeonium) はベンケイソウの仲間である。多肉植物であり、最近流行っているクロホウシもアエオニウムである。葉っぱが黒味がかっていて気持ちの悪い植物である、僕はそう思っている。
このアエオニウム属の宝庫がカナリア諸島だった。太古の森として世界遺産に指定されているゴメラ島の北部、ガラホナイ国立公園に行く途中に、変なピンポン球のような植物が道路横の崖に生えていた。それも数が非常に多い。「何じゃ」と思っていたところ、それがアエオニウムとの初対面だった。
カナリア諸島出身のガイドにとっては雑草だったのだろう。その植物の名を自主的に紹介することもなく、ましてや車を停めて「観察や」と言うこともなかった。このため、一緒に旅行していた1人のオバちゃんが「車を停めて見せろ」と大騒ぎした。
それはともかく、島の雑草だから、石造りの建物の屋根にも生え、花を咲かせている。写真はカナリア松の林を散策した時に見つけたアエオニウムである。キノコのようにウジャウジャ生えているのが分かるだろう。花はというと、ベンケイソウの仲間だから黄色い。左下に咲いている。
2015/06/14