今は昔、1988年の晩秋、金融財政事情研究会主催の視察ツアーがあった。総勢24名、全員若かったが、ついに先日、訃報が届いた。メンバーの中ではかなり年長に近かったと思う。
植田輝洋氏、71歳。当時は44歳の計算だ。カナリア諸島から帰ると訃報が机の上にあった。ご冥福を祈る。
ツアーの目的は先物とオプションの現場を見ようというものだった。日本での取引始まっており、今後活発化するだろうとの見込みがあったことと、1987年のブラックマンデーの直後だったこともある。ニューヨーク、ボストン、ワシントン、シカゴ、サンフランシスコに出かけた。ニューヨークではゴールドマンサックスのオフィスで研修も受けた。
24名のメンバーのうち、元興銀からの参加者K氏とはその後、仕事?と飲みの友達となった。植田氏は確か長銀だったと記憶している。その長銀が破綻したので、その後は転々とされていた。思い出すと、サリン事件の巻き添えで失明寸前になり、地方銀行(常陽銀行)を早く退職されたメンバーM氏もいた。2011年の大震災では日銀から福島信用金庫に転じたメンバーN氏が放射能の影響を受けられた。四半世紀以上が経過するといろいろあるものだ。
このツアーでは毎年同窓会が春と冬にあった。春はゴルフ、冬は飲み会である。2013年1月の飲み会(新年会)まで続いた。金財のメンバー2人(ツアーの主催者、当時のKU専務理事とKO氏)が事務局をかってくれていた。
しかし、その新年会の当日、金財が実施しているFP検定試験で試験問題の事前漏えいした事件(ネット上で試験問題が閲覧可能になっていた事件)があり、会は金財のメンバーなしで(場の最初に事件の概要が話され、宴席への出席は自粛なのでとすぐに退席になり)進行した。これが同窓会の最後となった。メンバーの何人かが高齢の域に達しつつあったことから、止める潮時でもあったのだろう。
植田輝洋氏の訃報のついでに記録しておく。
2015/06/18