バミューダのアリ世界はアルゼンチン蟻が制覇したらしい。人間社会でのアルゼンチンが苦況に陥っているのと対照的である。そのアルゼンチン蟻、女王が複数いるのが特徴らしい。
「アルゼンチン蟻って何や」というのなら、ネットで調べてほしい。要するにアリ世界の制覇を狙っている(?)種類であり、各国が警戒している。日本にも上陸している。人間活動のグルーバル化がもたらした影の部分である。
アリの専門家でないのでWikipediaで(長野のアリチョコではなく)アンチョコに調べると、原産地(南米)から外に渡ったアルゼンチン蟻の遺伝子が似ているので(特定の国に、南米のいろんな地域から渡ったわけでないのだろう)、他の巣のアリも簡単に受け入れる上に、女王が複数いるので、容易に衰退することがないようだ。むしろ巨大な軍団になる。1つの巣が潰れそうになっても、吸収合併が簡単に行われると考えればいい。もっとも、市街地を好み、山間部にはいないとも書いてあるから、それが唯一の救いかも。
遺伝子が似ているから、遺伝子に弱点があり、それを攻められたらイチコロかも知れないが、そうでない限り、大変な脅威である。それだけの繁栄の裏に、複数女王制という多様性があるのは確からしい。昨日登場したバミューダの知己がアリを観察した結果、やはりそういう結論を導き出したとのこと。
「ファーブルでもないのに、暇やね」と感嘆する前に、多様性が持つ意義を再確認しておきたいものだ。すべての大学で君が代を歌わせようという形式的な愛国主義を押しつけるのではなく、多様な発想を持った、しかし日本人としてのアイデンティティーを育てることが重要ではないのか。
そのためには、まず国のリーダーたるべき政治家が立派でなくてはならない。それによって日本に対する誇りも生まれようというものだ。日本の自然は豊かで誇れるから、その上に政治家が良き手本を見せればいいだけのことなのだが・・。
2015/07/12