川北英隆のブログ

ポーランドの食文化とは

ポーランドを旅行して真っ先に感じるのは食文化の差である。日本との差ではない。通常のヨーロッパとも異なっている。かなり忘れていたが、チェコの田舎との共通点があったようにも思う。
ポーランドに入って最初に食べた地はザコパネ(Zakopane)である。8/31のブログで「ポーランドの軽井沢」と書いたように、ホテルやリゾート施設がいっぱい、観光客もいっぱいである。
そこで食べた料理だが、簡単に言うと塩辛い。これはチェコの田舎の温泉地、カルロスビバリで感じたのと同じである。もっと思い出すと、中国の四川料理は香辛料の辛さで有名だが、成都を外れると香辛料をあまり使わず、塩分の辛さが強くなる。香辛料が高価だからだと思う。それと似ているのかもしれない。
もう1つは、揚げ物が多い。この点はザコパネだけではなく、ポーランドやスロバキア北部でも共通していた。ポーランドの野菜ともいうべきジャガイモの食べ方も、それを砕いて薄く伸ばし、揚げてある。コロッケに似ているが、薄い分だけ油が多い。食べると美味いのだが、食べ過ぎると太っちょになるだろう。当然のこととして肉も揚げたものが多い。ケンタ(フライドチキン)も顔負け、薄く伸ばしたニワトリが、サンドイッチにどかんと挟まっていたりする。
びっくりした後、「でも美味いかも」と思ったのがビート(正確には赤かぶ)のスープである。ボーランドの食事はスープとメインの組み合わせが多い。そのスープとして赤いビートが登場する。ポーランド人の好物らしい。まず色でびっくり、次に口に含んで甘いのにびっくりである。
ビートの仲間にテンサイがあり、そこから砂糖が作られる。日本の上場企業、日本甜菜製糖がそれである。スープに使われる赤かぶはテンサイと近いが、同じではなく(そんなこと、テンサイや赤かぶを栽培しないかぎり誰も知らない)、甘さが少し落ちるらしい。それでも十分甘いから、びっくりする。「こんなん、最後まで食べられへんで」と思いながら、もったいないのでスプーンを進めるうちに、「でも、美味いかな」と思うようになる。砂糖をふんだんに使った甘さと異なり、適度に自然の甘さが伝わってくるからだと思う。
世界の食にはいろいろとあり、楽しめるので面白い。

2015/09/04


トップへ戻る