昨日実施された大阪府知事選挙と大阪市長選挙で、大阪維新の会の候補が勝った。この結果をどう評価すればいいのか。大阪都構想なるものの七転び八起きのスタートなのか。
結論は、今年5月の大阪都構想に関する住民投票の結果は厳然たるもので、覆ってはいない。知事と市長選挙に勝ったのは、大阪という土地柄だからでしかない。そう思える。
大阪人の特徴は東京に対する強い反感である。豊臣と徳川の抗争が続いているとは言わないまでも、「何で東京やねん」くらいは思っている。だから、東京というか東京を中心とする政治体制に対する反発が強い。今回の選挙はその流れに沿ったものだろう。大阪維新の会を積極的に支持していると思うのなら、大いなる間違いを犯している。
一方で、大阪人は日本人の中で一番合理的というか、客観的に物事を見ている。だから、都構想なんて「アホなこっちゃ」「それでどうした」と思っている。名前を府から都に変えたところで、実質的に何の意味があるのか。行政の無駄を削るのであれば、都構想でなくてもいいはずである。
都という名にしただけで、大阪経済の地盤沈下が止まるのか。都と称したいというからには、大阪を浮揚させるための具体的な経済政策が求められる。それを大阪維新の会が提示しているのか。その提示があり、「なる程」と思わせて初めて、大阪維新の会への積極的な支持が芽生えてくるのだが。
2015/11/23