同窓会の話が続いてしまう。これで終わりの予定なので。その席で、同じ会社に入ったT人と話す機会があった。僕の記憶によると会社で1回話したきりだったが、T君によるともう1回会ったとか。
そのT君は新潟大学の山岳部に所属していたとのこと。会社に入っても活動していて、入社数年目(2年目とか3年目とか言っていた)で海外遠征(旧ソ連)に行くため、長期休暇を申請したらしい。曰く、認められなかったら会社を辞めてもいいと思ったとか。
しかし、当時はのんびりしていたのだろう、その申請が認められ、遠征に行けた。で、その遠征で雪崩に遭い、キャンプが押し流されたのだが、つい数年前(数字の記憶が悪くてすみません)、そのテントが暖冬で雪が解け、見つかったとか。
その話を聞いて、「じゃあ有給休暇の消化率はどの程度だったの」と質問した。念のために書いておくと、T君は定年に達して退職している。返答に戻ると、「多分、全部消化した」とのことだった。
僕はというと7割程度で、消化率が相当高いと思っていたのだが、病気でもないのに「全部」と聞いて、「そら、すごい」としか言いようがなかった。「最初に、遠征で大きなマイナスから始まったので」というT君の解説だった。
でも、と思う。欧米では有休を全部消化するのは普通なのだろう。ゆっくりと休み、身体と精神がともに健全になれば、張り切って仕事ができる。素晴らしいアイデアも浮かぶ。逆に、日本のように有休も使わずに出勤しても、いい加減な仕事しかしないし、できない。数日であれば、適当に休んでも会社は何もなかったように機能する。それで機能しない会社なんて、組織の体をなしていない。
最後に、記憶を記しておく。
中学から高校時代にT君と話すことはほとんどなかった。それが、僕が浪人をして家でぶらぶらしていた夏のある日、T君が僕の家を訪ねてきてくれた。隣に川本太郎さんという(何でフルネームで覚えているのかというと、下の名前が当時飼っていた猫と同じだったので)、(僕たちの学校ではないが)英語の先生をしている家があり、彼の父親の知り合いとか。そこを訪ねてきたので、ついでに寄ったと説明してくれた。社会人として同じ会社に入ったのを知ったのは、T君が1年先に入っていたこともあり、僕が入社してすぐ後のことだったと思う。会社でほとんど会わなかったのは仕事がまったく異なっていたからである。そういう、ある意味で妙な関係である。
2015/11/30