友人の家では10年少し前のプラズマテレビが壊れたらしい。そこで別に欲しくはなかったのだが4Kテレビに買い換えたとか。それも、でかいサイズである。元々のテレビがでかかったかららしい。
昨日来たので映したところ、4Kの放送は「細かいところまで見えて、疲れる」とのことである。それで思うのは、そもそも4Kなんて必要あるのかということである。かつてのマイクロソフトとインテルの相乗的な効果、つまりプロセッサーの処理能力が高くなるからソフトが重くなり、ソフトが重いからプロセッサーの処理能力がさらに高くなるという効果的が、はたして画像の細かさと放送の質の間で進むのだろうか。
地理や科学に関する放送であれば画像の細かさの威力が発揮されるだろう。しかし、この分野の放送は、バラエティー番組と異なり、事前の入念な準備とコストがかかる。そんな十分な能力が今の放送業界にあるとは思えない。
他の番組で何かないかと考えたところ、逆に大きな障害に思い至った。女優を使う場合である(アイドル系の男優でもいいのだが)。
4Kかつ大きな画面で何でも鮮明に見えてしまうと、顔のアラが判明してしまう。整形なんかしていた分には、その傷跡がばれるかもしれない。厚く化粧を塗ったとしても、その下に隠れている真実がぼんやりと浮かびあがる。ということからして、女優は嫌がるだろうなと思う。そして4Kが一般的になってしまうと、女優の素顔がぼろくそに書かれる。書かれた本人として、路線をお笑い系などに変えないかぎり、業界から消えて行くのだろう。つまり、俳優としての寿命が短くなってしまう。
いずれにしろ、4Kで見ないといけない放送なんて、ほとんどないに等しい。そんなマイナーな分野に命をかけている(かけざるをえない)、「日本の家電業界って何や」といいたくなる。
2015/12/02