閑話休題ついでに、もう1つ。師走の京都の風景である。写真を添えればいいのだが、写真を撮る暇もなかったので、文章と写真へのリンクだけで。
昨日、東京に出かけた(京都の話と違うんかいな)。街路樹の紅葉が北風に舞っていた。会議があり、その席で、「今日は秋本番ですね」と時候の挨拶をしたら、「本当に」と返された。そんな師走らしくもない師走である。
京都の師走といえば「錦市場」である。その錦、年末でもないのに人で溢れている。観光客が、買い物もろくにしないのにウロウロしているから。老舗なんか、「蹴り出したろか」と思っているに違いない。
一昨日、スイスから一時帰国したという男性からメールがあり、京都で会うことにした。一昨日は本当に忙しかったので(まだ理由をちゃんと聞いてへんでと非難の声がありそうだが)、家の近くの喫茶店で会うことにした。と、奥さんが京都に住んでいるというので、二人で喫茶店に来られた。錦の話題になり、「すごい人なので、買い物していて遅れそうになった」とのことである。
その錦、僕はその一昨日の早い時間帯に歩いていた。そこで気づいたのが「棒鱈」である。実は今月の初めにすでに気づいていて、「ブログねたやな」と思っていたのだが、そのまま忘れていた。その棒鱈がいくつかの老舗の店先にぶら下がっている。ネットの写真を探したのだが、適当なのが見つからないので、一番イメージに近いものを紹介しておきたい。
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この棒鱈、関西の正月には欠かせない。しかし、えらく高い。大きい物なら1本、万近いのではないだろうか。あてずっぽうだが。しかも、その棒鱈を食べるのは、まず適当な大きさに切り(これからして硬くて大変である)、水でじっくりと戻し、その後にゆっくり炊く必要がある。母親が元気だった頃、いつも棒鱈を買い(若い頃は1本、年寄りになってからは確か半身を買い)、ぼやきながら炊いていた。棒鱈を炊くために練炭を用意していた。工場跡があったので、そこで炊いたわけだ。「ガスを使うと燃料代がいくらかかるかわからん」とも言っていた。
その棒鱈の炊いたん、やはり錦で売っている。これも高いが、下手なものを買うと全然美味くないから、関西の正月を味わうためには「しゃあないか」と思い、買うべきだろう。
2015/12/23