川北英隆のブログ

今回の株価下落の要因とは何か

株価は乱高下しているものの、どうも下値を模索しているようだ。依頼原稿を書くために調べたところ、日本経済は少し前から変調をきたしている。某大新聞だけを読んでいる個人は誤魔化されているようだ。
最近、このブログに経済関係の記事をあまり書かなくなった。というのも、非常勤ではあるが、その仕事上、あまりいろいろと書くと問題が生じるから。また、僕自身も株式投資に大きな制約がかかっているので、株式投資への興味が、少しではあるものの失せている。
それはともかく、依頼原稿のためとはいえ調べたのだから、そこで得られたことを書いておくのがサービスというものだろう。
まず輸出だが、数量ベースで見ると(財務省のHPに入り、統計のページから貿易統計に入り、貿易統計の数値をダウンロードすればいい)、輸出も輸入も2015年に入って冴えない。むしろ少しだが低下する傾向にある。品目で見ると、足下は乗用車と(最近、日経が取り上げている)農業製品以外、主要な業種や品目で低下トレンドにある。
貿易の状況を裏付けるため、鉱工業生産動向を追ってみた。と、生産量が昨年11月、12月と連続して低下したように、多くの品目が冴えない。輸出の減少は、生産活動の足を引っ張りつつある。
「それなら、早く報道しろや」ってとこである。もっとも、記者に要請されていることは、1年とか2年の中期スパンで物事を眺めることなく、新聞として日々の記事を書くことである。そうであるから、今日のことと、それが明日にどう繋がるのかしか見ていない。
このメディアの性癖を非難しても仕方ない。読者としては、「どうせ新聞ってそんなもんや」くらいの気持ちが必要である。むしろ新聞情報から独立するため、自分でデータなどを集め、調べる癖を付けるべきだろう。
と、ぼやいたところで後の祭りか。いずれにせよ、経済が悪くなりつつある。これに応じて企業業績には悪化懸念が出ている。これが年初からの株価下落をもたらした直接的な要因である。とすれば、株価は暫くの間、調整と考えていい。
まとめである。短期的には株式投資のステージは終わった。中長期的には、良質な企業の株式を思う存分買えるチャンスが訪れようとしている。

2016/02/05


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