ジュベルシャムスは大きな山である。地層が西から東に乗り上げたような地形で、先にアップした写真のように東側が切れ落ちている。乗り上げた地層は緩やかなのだが、その西側でも、浸食によって大きな渓谷が形成されている。
ジュベルシャムスには、緩やかな西側から頂上を目指す。頂上が軍事基地ということは、そこまで車道があることを意味している。しかし、それを使ったのでは面白くない。それに、軍事用の道路だから、そこを車で登るには特別許可が必要になる。
そこで1900メートル少しの地点で車を駐車し、支度をして歩き始めた。夜明け前だったので、最初はヘッドランプが必要である。
緩やかな斜面ということは、距離が長いことでもある。ずうっと北峰頂上にある軍事用のアンテナドームが見えているものの、そこにはなかなか近づかない。
とはいえ、楽しみもある。圧巻は西側斜面を大きく浸食した渓谷である。オマーンのグランドキャニオンと呼ばれている。写真がそれなのだが、大きすぎて写真写りが悪い。
実は、前日、このグランドキャニオンの谷底を車で走っていた。乗り上げた地層全体が石灰質である。というのも、グランドキャニオンを走っていると、雨で石灰質が溶かされ、鍾乳石と同じ形状の岩が崖にへばりついていることでも分かる。
登山道は、そんなグランドキャニオンを回り込みつつ、ジュベルシャムスの尾根(東の崖の縁)、北峰のすぐ下にたどり着く。
2016/02/19