アメリカへの入国審査が厳しくなった。1月に新たに法律が制定され、2011年3月1日以降、イラン、イラク、シリア、スーダンに渡航または滞在した者がアメリカに入国する場合、ビザが必要になった。
パリでのテロの影響である。
これまで観光であればESTAで渡航認証を受ければ(これもインターネットでできるとはいえ、少し面倒で費用がかかったが)、比較的簡単に入国できたのに、イラン、イラク、シリア、スーダン渡航の前科があれば、ビザを取得しないといけなくなった。ESTAでの渡航認証が有効であっても取り消される。しかも最近、この4国に新たにイエメン、リビア、ソマリアが追加されたようだ。
僕としては今度、アメリカをトランジットして旅行する計画があったので、アメリカのビザを取得せざるをえなくなった。イランとイエメンに渡航していたからである。アメリカ入国に際して提示するパスポートにこれらの国の入国スタンプがなければ大丈夫だとは思えるが、見つかってしまうと、それこそ極刑に処せられかねない。多分、何日も取り調べられるのは確実だろう。
それでビザをどのように取得するのかといえば、かなり面倒な書類の作成が必要である。しかも、その書類を携え、領事館に出向いて面接を受けないといけない。面接してもらうには日時を予約する必要も生じる。その書類を自分で揃えるのも大変だし、旅行の日程表も必要なので、旅行会社に作成を依頼した。費用といえば、大使館に2万円弱、旅行会社の代行費用が4千円くらいかかった。
それだけならまだしも、領事館への面接にはほとんど必要書類だけで出向かないといけないし(カバン類は駅のコインロッカーに預けた)、時間の少し前に領事館前の歩道に並んで待つ必要もある。踏んだり蹴ったりである。
面接は無事終わった。パスポートは1週間位で返却されるそうだ。つまり、この間、海外には行けない。忙しいビジネスマンはどうするのだろうと思う。
以上、報告である。アメリカやアメリカ経由の旅行は、できれば止めたいものだと思ってしまう。領事館の日本人係員も、「イランに行ったことのある日本人が多いので」と同情気味だったが、費用を負けてはくれなかった。
2016/02/24