少し前、麹町のイタリアン、エリオ・ロカンダで知り合いにご馳走してもらった。知り合いといっても、山で一度一緒になっただけなのだが、「飛行機は飛ばないし」ということで、親密感が増したのか。と書けば、山の場所は特定できるだろう。
その店、知り合いからのメールによると、「行きつけの店を予約した」「今回は経費で落とす」とのことだった。
で、エリオ・ロカンダだが、イタリアの南端出身者が家族で経営している。「ほとんどアフリカやん」と思うのだが、それだけに普通のイタリアンにないエキゾチックさがあり、なかなかの味である。肉料理は煮込みを食べた。パスタはサバ入りのが良かった。赤ワインは、珍しくかつ濃厚で美味かった。いつか機会を見つけ、今度は自腹で行こうと思っている。なお、断っておくが、一度旅行しただけの知り合いに全面的にご馳走になるのはさすがに悪いかなと思ったので、京都の手土産だけは持参した。
後日談があり、そのイタリアンの店が良かったと友人のOに話したところ、「そこは外資系に勤めていた時の行きつけの店やった」との返事が返ってきた。「もっとも、外人が多く、名目をつけてすぐに騒ぐのが玉に瑕」とのことだった。
この評価は正しくて、ご馳走になった日も、何回も照明が暗くなり、「ハピーバースデー」の音楽が流れた。1回はケーキが出されていたので本物だと思うが、残りは偽物でしかない。まあ、イタリア的な適当で陽気な店ということだろう。静かに飲み食いしたい僕にとっては(飲んだら騒ぐやん)、少し柄に合わないかも。でも、美味いものは美味い、騒ぎを無視すればいいだけである。
2016/03/02