川北英隆のブログ

牛肉は韓国かイタリアンに限る

牛肉の料理で何が一番好きかといえば、昔は当然ながらすき焼だった。大人になって(確かに20歳を過ぎていた)、フィレンツェの真ん中で食べたTボーンステーキが最高だった。
当時、飢えていたから美味いと感じたのかもしれない。しかしである。9年前、フィレンツェを再訪したとき、やはりTボーンステーキを食べたところ、最高だった。イタリア人の料理が上手なのだろう。
牛肉といえば韓国風焼肉も好きである。しかし、本場韓国で何回か食べた焼肉は今一だった。肉が良くないのか、タレが甘くて口に合わないのか。こちらは日本の焼き肉の方が美味いと思う。
ということで、Tボーンステーキも日本のが美味いのではないか、少なくともフィレンツェの水準を味わえるのではないかと思い、東京に来たついでにTボーンステーキを食べに出かけた。ネットで検索し、赤身の肉を焼いてくれる店を探し出したところ、六本木のレストランが熟成させた肉を焼いてくれるとある。アメリカでも評判であり、某料理評論家も美味いと書いていたので、早速予約をした。
その結果は、フィレンツェに圧敗だった。脂と肉とが混じりあっていない。塩味が肉と絡んでいない。ただし、肉は大きかった。結果として、大枚をはたいたのに数切れで満足し、残り、その倍くらいを義務感で食べた。
「某料理評論家はどんな舌をしてるんや」とも思った。レストランの回し者とは言わないまでも、タダで食わせてもらったのかもしれない。
仕事は嫌いだが、遊びと食事が大好きなイタリア人にはやはり勝てないということか。フィレンツェを再々訪した時に思いっきり食べるしかないのかも。

2016/03/03


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