グアテマラは遠い。今回はロサンゼルス経由だった。アメリカでは、トランジットであっても一回入国しなければならない。その後、中米に強いアビアンカ航空に乗り換える。
2年前、ニカラグアに行った時もロスでアビアンカ航空に乗り換えた。このアビアンカ航空、グアテマラに直接行かない。エルサルバドルの首都、サンサルバドルでもう一度乗り換える。小さな空港なので、乗り換えは簡単である。結局、何やかやで、移動に24時間以上かかってしまう。
このうち、ロスでの乗り換えが一番大変である。一番手間暇がかかったのは、前に書いたアメリカの入国ビザの取得である。通常、日本人はインターネットでESTAを取得すれば済むのだが、僕の場合、1月末に成立したアメリカのテロ対策の法律により、ビザを取得しなければならなくなった。つまり、2011年3月以降にイラン、イラク、シリア、スーザン、イエメン、ソマリア、リビアに渡航歴がある場合、ESTAでは入国できなくなったことによる。このため、アメリカ大使館/領事館の面接を受け、ビザを取得するしか方法がなくなったわけだ。「パスポートを切り替えてしまえば、渡航歴がわからなくなる」との誰かの教えもあったが、万が一ばれれば牢獄行きか、空港で追い返されるかだろう。
日本からロスまでの間はアメリカン航空だった。このチェックイン、機械しかダメなのだが、わかりにくい。チェックインの画面が少し進むと、アメリカでの滞在地を入力しなければならない。「トランジットなんやけど」と係員に言うと、「住所の所にtransitと入力しろ」という。「それなら、最初からトランジットという選択肢を設けろや」と思う。しかも、座席をあらかじめ指定していたので、それを選択すると、何でかわからないものの、「もう少しゼニを払うと、ええ席がありまっせ」と案内が出て、あらかじめ指定していた席に「○○円」と表示されている。「ええっ」と唸ってると、「最初に指定された席なら、その席をタッチすればええ」とか言われる。
アメリカの入国も機械式に変わりつつある。写真や指紋の採取も自動である。ぼやっとしてカメラを見ていたものだから、完全に寝ぼけた写真が機械から出された。この写真を最後に審査官に渡さないといけない。恥ずかしいかぎりだった。
もっと大変なのはアビアンカへの乗り継ぎである。広いターミナルを、受け取った大きな荷物を担いで移動する。カウンターがわかりにくい。しかも、乗り継ぎ時のセキュリティチェックの設備が少なく、延々列を作らないといけない。スケジュール上、乗り継ぎの時間は3時間あったが、それでもギリギリだった。正確には、乗り継ぎゲートへの到着は指定の時間に少し遅れたが、何とかなった。
「中東経由で中南米に行く手はどうなんや」と旅行会社に質問すると、「飛行時間が長すぎて、まだアメリカ経由の方がまし」との答えだった。そんなものか。泣く子とアメリカには勝てないと思った次第である。
2016/03/30