今日、何人かと会議をしていると、熊本の南、出水に家を持っている有識者が怒った。フランス人を招いて会議をやろうと計画していたのに、「大丈夫か」との問い合わせがあり、不開催になりそうだとか。
出水は九州電力の川内原発に近い。その川内原発は再稼働している。それで大丈夫なの、地震の影響は皆無なのというのがフランス人の心配ネタである。
実は、僕も不思議だった。地震学者も気象庁も、今回の熊本地震に対して、「これまでの知見の外にある」と、さじを投げている。一方、原子力規制委員会は、熊本の地震に対しても「既に今回より大きい地震を想定している」とのことで、自信満々に運転を認めている。地震学者が「わからない」と本音で語ったのに対して、原子力規制委員会の自信はどこから来るのだろうか。
原子力規制委員会は、自分たちが運転再開を認めたという過去の事実にこだわっているのかもしれない。もしくは、運転再開を順次認める方針を崩したくないのかもしれない。一市民としては、そのように勘ぐってしまう。
委員会を構成している原子力の専門家としては、素人である国民の直感的な疑問に対し、誠実かつ丁寧に答える責任があるのではないか。そうでないと、外人にさえ(外人にはなおさらと言うべきか)、「日本はいい加減な国や」と思われてしまう。
2016/04/22