翌朝、ホテルで弁当を受け取り、車でバスターミナルに送ってもらった。窓口で搭乗券を受け取り、バスに乗り込んだ途端、驚いた。こんなバスで24時間耐えられるのかと。
写真がバスの車内である。良く言えば寝台バスだが、2人用がほとんどで(手前に1人用が少しあるものの、バスの運転手兼添乗員が使っていた)、しかも2階ベッドである。さらに一番の問題は、敷布、掛け布団、枕は一度も洗濯されたことがないかのように茶色く変色していたことである。写真は、魔法のカメラで撮ったように、きれいそうに写っているが。これなら、山用のシュラフカバーが必須だったとも思った。
さすがに冷房付きだったが。
ルアンパバーンからラオス・中国国境まで290キロ、国境から景洪への分岐まで184キロ(分岐から景洪に行くには21キロ)、そこから昆明まで523キロである。合計997キロとなる。実は、中国側に入るのは当日の夕方であり、そこからまじめに走れば深夜に昆明に着けるが、それでは乗客が困るからだろう、途中3時間くらい時間調整して(停車した車内で眠り)、昆明に向かう。
ルアンパバーンから190キロくらい北にウドムサイという町がある。ラオス北部の交易の中心地である。中国国境から100キロと近い。実は、ルアンパバーンから中国国境までセンターラインのある道がかなりの割合を占めていて、舗装の改良工事も進行していた。ウドムサイから先では大型トラックも見かけた。
つまり、ルワンパバーンからビエンチャンまでが難所となっており、車が少ない。実際、地図で確かめると、ルアンパバーンから国境まで峠越えが続くものの、上流部にもかかわらず標高はそんなに高くない。ルワンパバーンからビエンチャンまでの峠が1300メートルを越していることと比べて、国境付近のほうが穏やかである。
中国との国境の手前にはトラックのセンターがあり、多くのコンテナが積まれていた。中国側からかなりの物資が入っていると推測できる。実のところ、ラオス・中国国境から180キロほど南西の道を走るとラオスとタイの国境に達する。メコンが流れていて、ラオス側がフアイサーイ、タイ側がチェンコンという町である。当初、間違って予約したバスの搭乗券は、このタイ側の町へのものだった。
中国側に入ると快適な道となる。国境から景洪分岐までは2車線だが、現在、高速道路の建設中である。その分岐以降は4車線の高速道路になる。着々と中国の南下政策が進行しているわけだ。
2016/05/15