いろんな意見があるのだろうが、オバマが広島を訪れた。アメリカの歴代大統領のことを思い出すと、歴史的である。さすが、役者である。それに対して、我が安倍ちゃんはサミットで何をしたのか。
もちろん、オバマの広島訪問を引き出したのは成果である。一方、サミットの場での安倍ちゃんは、「世界がリーマンショック再来の危機にある」と煽り、「だから消費税の引き上げは延期」との理屈をひねり出した。
この理屈、要するに、アベノミクスが不発なのではなく、新興国を中心とする世界が最悪だから、仕方なしに消費税の引き上げを延期するということに尽きる。アベノミクスは順調なだが、新興国をはじめとする世界経済がだらしないので、それに引きずられたと主張するための演出である。
野党に「何で消費税延期なんや」と追求されれば、「あいつらが悪いのや」と答えるための下地作りである。責任転嫁と言われても仕方ないだろう。安倍ちゃんにとって、そのためだけのサミットだったわけだ。「何たルチア」、せっかくの先進国首脳会議を保身のために使うとはというところだろう。
そこまで世界経済に対する危機感を持っていたのなら(その危機感に、各国首脳は唖然とし、日本政府の見識を疑っただろうが)、国会審議の中でも、その判断をもっと前面に押し出すべきだった。そうではなかったという事実は、安倍内閣の判断の遅れを露呈したのか、サミットが俄芝居だったのか、どちらかでしかない。
ほんま、自分の立場を上手に小手先的、刹那的に弁護する内閣の運営だとしか思えない。その結果、日本に対する世界の評価と信頼度はますます落ちたと思えるが。
2016/05/27