川北英隆のブログ

株主総会の議決権行使は重要か

本日、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議があった。メインのテーマはスチュワードシップ・コードに謳われている株主総会での議決権行使だった。
本日のテーマを正確に書いておくと、運用機関(アセットマネジメント会社)が大手金融機関の子会社であることが多い中で、株主総会の議決権行使に親会社の意向(たとえば上場企業との取引関係)が反映されるのではないかとの懸念を中心に据えていた。
端的に感想を述べると、今日のテーマの重要度がよくわからなかった。もちろん重要だとは思うのだが、急いで議論すべきことなのか。僕としては、運用機関がもっとまじめに(受益者の利益のために)投資活動をしないと、株式市場の正常な発展がないと思っている。だから、この点を最初に述べ、議決権行使も、「まじめに投資活動をする」1つの局面として位置づけるべきだと述べた。
ついでに、本当はまじめに投資活動をやっていない一例として、公的年金がGPIFを先達として、2015年度の運用結果を7月末にしか公表しないことも指摘した。公的年金は、スチュワードシップ・コードに基づいた投資原則を公表し、ちゃんと投資活動をするのだと述べている。加えて、投資している企業にはコーポレートガバナンスをもっとしっかりやれと言い、議決権をガンガン行使するとしている。このことと、4ヵ月も経ってから自分自身の運用結果を公表するのとは、えらく矛盾しているのではないか。そう僕は思っている。
多分、傍聴者に公的年金の関係者がいただろうから、今頃は物議を醸し出しているかもしれないが。
それはともかく、議決権行使を最初に議論したことに対して、元東大の神田さんも違和感を持ったようで、会議の最後に、議決権行使は企業との対話の最終局面(最終手段)でしかないというようなことを述べていた(メモらなかったので記憶だけで書いているが)。

2016/06/01


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