人口が経済成長率を左右する。その人口の質に教育が関わる。では、人口が減少する日本に未来はあるのか。日本では教育が相当の水準に達している。この事実から、数だけが力の今の世界からの、1つの出口が見えてくる。
その出口とは、端的にはロボットである。AI(artificial intelligence)の発展が、日本の高齢化と人口減少をどの程度カバーするのか。これが、今後の日本の世界的な地位を決定する。
蛇足ながら、少しだけ説明しておく。AIが進めば人間の労働の代わりとなる。自動車の自動運転が典型例だろう。タクシーやトラックの運転をAIが行うから、運転手が不要となる。その不要となった労働力を他の分野に活かすことができる。
とはいえ、あんたが運転手なら一大事だろう。「今までの職をどうしてくれるんや」ということになる。見方を変えると、ロボットに置き換えられる職に再教育が必要となる。
それだけではない。既存の教育体系を見直さないといけない。すでに、ワープロやインターネットの発展によって知識体系には大きな変革が生じている。単純に覚えること意味が大きく低下したといっていい。「そんなの、(厳密なことを問わないかぎり)スマホを見れば十分」となってしまった。これからの人間に必要なのは、そのインターネットレベルの知識に対して、どのようなプラスアルファを付け加えられるのかである。
日本の教育レベルは高い。その教育を時代の変化に的確に合わせることにより、日本社会は、人口減というハンディを克服して、AI時代に大きな飛躍を遂げられるはずだ。
では現実はどうなのか。この点は個々人で考えてほしいのだが、少なくともこれまでの教育制度の遅々たる改善実績からすると、大いに心配してしまう。役人の抜本的な意識改革が必要だろう。
2016/07/11