川北英隆のブログ

昆虫採集とボケモン採集

東京と京都では主力のセミの種類が違うことを知っているだろうか。このセミ、関西のセミの勢力は過去と比べて大きく変化した。加えて思うのは、夏休みの自由研究も変化するのではないかと。以上、「何のこっちゃ」だろう。
最近(いつ頃からかは不明ながら)、この時期に京都市内を歩くと、セミが「ぎゃんぎゃん」鳴いている。クマゼミである。1匹だと「しゃんしゃんしゃん」と鳴くのだが、それが大合唱するものだから「ぎゃんぎゃん」と聞こえる。うるさい。
子供の頃、このクマゼミは貴重だった。当時の主力はアブラゼミで「じりじりじり」と鳴いていたし、今のクマゼミほどの数ではなかった。だから、小学生低学年の頃の昆虫採集では、セミとしてはクマゼミを入手することから始まった。体が大きく、透明な羽だから、子供の頃は非常な人気だった。簡単には(捕ろうと思ってもすぐには)入手できなかった。
関東では、セミといえばミンミンゼミである。子供の頃、漫画では馴染んでいたが、実際に声を聴くことはなかった。初めて捕まえたのは中学の終わりか高校時代だった。関東方面に旅行した時である。捕まえてみて「クマゼミよりも小さいんや」と理解した。今でも関東でクマゼミの声はあまりなく、ミンミンゼミが多い。
関西でクマゼミがアブラゼミの地位を乗っ取ったのには、気候の変動があるという。クマゼミが都市部の、高温に伴う乾燥に強いらしい。加えて、僕なりに解釈すると、子供の昆虫採集が少なくなったのだろう。そもそもセミは捕まえてもすぐに死んでしまう。カブトムシやクワガタが砂糖水で飼えるのとは状況が異なるから、飼うための需要がない。だから今、そこら中にクマゼミがいても、誰も見向きもしない。この結果、アブラムシ(関西ではゴキブリのこと)のようにクマゼミがのさばったのだと思っている。
そんな昆虫採集よりも人気になりそうなのがボケモン採集である。ボ(ホ+点々)であり。ポ(ホ+マル)ではない。怪獣を集めると同じ感覚で、都会の子供の夏休みの暇つぶしになるかも。
そんなボケモン、京都企業の雄である任天堂の再生を助けてもらうのはありがたいものの、個人的には迷惑である。とくに大人には頭に来る。それでなくても歩きスマホにぶつかりまくっているのに、この数日、もっと激しくぶつかってしまうから。
対策として、講義で使っている光学式のポインターを持ち歩いて、注意力なく向かってくる兄ちゃんや姉ちゃんの顔に光を当てようかとも思うが、そんなことをすると逆に「目がつぶれた」と訴えられたりして。いずれにしても、そんなボケモンを大人が採集して何が嬉しいのか。現代の七不思議の1つである。

2016/07/27


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