志方城山の次に目指したのは烏泊山である。どこにあるのか。播州赤穂の西、日生(ニッセイではなく、ひなせ)から近い。ところが宝殿から日生への移動、電車の本数が少なくて、なかなか大変だった。
播州赤穂は山陽本線の相生から別れる。赤穂行きが30分に1本だったと思う。さらに赤穂から日生方面に行くのが1時間に1本と思えばいい。ということで、志方城山は、余裕を見ていたこともあり、予定よりも早く切り上げ、宝殿で30分以上早い電車に乗ったものの、日生に着いたのは予定どおりだった。
日生は小豆島へのフェリーや連絡船が出ている町である。中学生の時、夏休みの臨海学校に行くというので、日生に降りた記憶がある。50年以上前のことだから、風景の記憶はなかったが。
烏泊山には、駅前から備前市営バスに乗る。時刻表はネットにある。片上方面行きである。そのバスを木生峠で下りるのだが、車内アナウンスがないので、地図とにらめっこしなければならない(何て読む峠かも分からなかったので、運転者に事前に「降ろしてや」と言うこともなく、自分で判断することにした)。ヒントは、日生西小学校の次の停留所である。
峠の停留所からは数歩戻り、北に人家や工場のようなものがある舗装道路を緩やかに登る。池があり、すぐ上に広場がある。気持ちいい道とは言えない。この間、10分程度である。
広場の奥に絵地図がある。ここから山道になる。舗装道路とほぼ並行して、その左手に付けられた林道に入るのだが、今は使われていないので灌木が生えている。それを分けながら進むと、林道の荒れ具合は少しましになる。下に斎場が見える(舗装道路がそこまで行く)。さらに進むと右手から沢が接近してきて、その沢に古びた橋がかかっている。その橋の手前、左手に登山道がある。この間、5分程度である。
登山道はジグザグに登っていく。灌木の中の道が多いのだが、所々、日の当たる場所は草が茂っている。夏場なので、マムシが怖い。慎重に登る。トゲのある木(ノバラやサルトリイバラ)もある。ジョロウグモの巣もある。仕方ないので、木の枝を拾い、杖代わりにした。
道のジクザクが終り、緩やかな登りになると、明瞭な尾根にぶつかる。その手前、左手から明瞭な道が上がってきているが、どこから来るのかは確認していない。
尾根とのぶつかりを右に折れ(上り方向に折れ)、少し急登する。この付近から、ニセアカシアの幼樹だろうか、枝がズボンやシャツや腕にひっきりなしに引っかかる。おかげで、愛用していた古い登山用のナイロンのズボンが裂け、ユニクロで買ったばかりのメッシュのシャツがほころびた。もちろん、腕や足から血が出たし。
登山道の分岐から25分程度で頂上に着いた(写真)。冬場であれば15分程度で着く距離である。頂上からは小豆島をはじめ、瀬戸内海の展望がある。
ここも、ついでに一等三角点の山である。そんな低山を選んだわけだが。
2016/08/30