川北英隆のブログ

日本のテロ対策は万全なのか

海外旅行をして一番心配なのは治安である。現地ガイドの態度を見ながら、実際の安全度を「体感」することになる。エクアドルの首都、キトでは主要観光スポットの入口に着くや、現地ガイドがやおら時計をカバンに仕舞い、「気をつけて」と言ったのは少し笑えたが。
その点、日本に帰ると安心する。母国語の世界だから、とっさの判断や、何かあった時の対応も事前に見当がつくこともある。
よく考えると、日本に安心感があるのは武器がごく限定された者の手にしかないことであり、ましてや爆薬は鉱山のような特殊な場所にしかないからである。一般に所持が禁止されているだけではなく(規則だけならお守りみたいなものでしかない)、入手はもちろん、海外からの持ち込みが厳重にチェックされているからにほかならない。
厳重なチェックが可能なのは日本が島国だからである。日本に渡るには、これまでは飛行機が主な手段だった。数もそんなに多くなかった。そもそも飛行機の場合、搭乗時に厳重なチェックがある。だから日本国内にテロ用の一式を持ち込むには難しい。
では国内で調達するのはどうか。不可能ではないだろうが、やはり難しい。それに、日本人にはイスラム的なテロへの意識はまったくと言っていいほど定着していない。大掛かりなテロ行為を実行する協力者も調達できないだろう。
とはいえ現在、状況は変化しつつある。心配なのは大型船での来日客が増えていることだろう。十分なチェックができているのかどうか。多分(大型クルーズ船に乗ったことがないので推測だが)、飛行機ほど厳重でないと思える。また、日本国内に非日本人とそのような思考パターンが増えていることも指摘できる(客観的に書いているだけで、差別しているわけでない)。
国際化はいいことであるが、それを手放しで喜んではいけない。現象の裏側を見据えた十分な対策ができているのかどうかが重要である。これは日本政府が一番苦手とすることにように思える。
京都に住んでいてわかるのだが、インフラ(宿泊施設、道路など)がパンク状態であり、これ以上観光客を呼んだら住民が大迷惑である。観光シーズン、嵐山の渡月橋を歩いて渡るのに30分もかかるという。しかし、そんなことを役人は誰一人として主張していないのは、能力不足か袖の下を掴まされているのかどちらかだと思えてならない。つまり、既得権益者である観光業者だけを見て行動している可能性がある。困ったことである。
そのうち、どこかの寺社に事件が起きるように思えてならない。警備も人手不足で手薄だろうから。

2016/09/07


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