川北英隆のブログ

日本の食生活が貧弱になって

日本の食生活が貧弱になった、繊細さがなくなったと常々思っている。その最たるものがラーメン文化であり、モツ文化である。僕としてはラーメンも、モツの特定部位も好きなのだが、現状は極端すぎる。
もう少し言うと、日本の食が脂まみれになろうとしているのではないか。調味料というか香辛料に完全に侵されようとしているのではないか。さらに言えば、食文化が貧弱化しているのではないか。
脂まみれに関して、具体的にはラーメン、唐揚げ、モツを代表とする肉系である。ラーメンそれ自身も汁に脂を浮かすのが幅をきかしていると思う。ついでに書いておくと、僕の好きなラーメンは少しあっさり系の醤油ラーメンである。モツ系では、焼肉屋で頼むのはタン、レバー、ミノである。モツ鍋なんて、あんなのを頻繁に食べたのでは身体を壊しそう。
脂まみれというと、そもそもハンバーガーの類のどこが美味いのか、僕には理解できない。前にも書いたかもしれないが、ハンバーガーを日本で食べたのは会社の会議でのあてがい扶持か、山から下りてきて他に店がなかった時だけだった。いずれも過去の話である。日本ではハンバーガーの肉が臭すぎる。体臭を気にする前に、こっちを気にしたらとさえ思っている。
調味料や香辛料については、食堂でトウガラシやコショウを山ほど振りかける姿をよく見かける。漬物に醤油と同じである。そんなに摂取したら身体に良いわけがない。そう言えば、コーヒーを持ち歩いてまで飲むのも、同じ類だろうか。少なくとも電車にまで持ち込んで飲んでほしくない。「こぼれたらどないしてくれるんや」と、いつも思っている。
日本の食事は微妙な味や香りを楽しむ文化である。素材を最大限に活用すると言っていいように思う。この日本の素材が、とくに魚に関して高くなっている。だから食べない、食べられないというように、仕方ない面は認める。とはいえ、そんな上品な日本の素材を引き続き食べたいと思う気持ちが、一生懸命に働く意欲を引き出し、日本経済の発展を支えるのだ。何て、言い過ぎかな。

2016/09/11


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