川北英隆のブログ

公的機関のフリーメール鎖国令

僕が日常使っているメールはフリーメールと呼ばれる類のもの、具体的にはGmail(つまりGoogleが提供するメールシステム)である。このメール以外、使うことはほとんどない。
京都大学のアドレスはあるのだが、入り方を忘れてしまったと思うほど、何年間も発信には使っていない。
このフリーメール、官公庁とのやり取りにも使っている。このため、「ええっ」という現象が生じていて興味深い。
某所からの返信メールには、「本メールはフリーメールから送信されており、標的型攻撃メールのおそれがあります」と書かれている。役所のメールはフリーメールではないから、多分、僕のメールを受け取った時に役所のメールシステムが役所の受信者に自動的に注意喚起するのだろう。その注意文を消さないまま、僕のメールに返信しているのだと思う。とはいえ最初にそのメールを受け取った時には、「何これ、攻撃を受けてるの」と一瞬思ってしまった。
もう1つの事例は、「川北さん、僕の職場ではGmailを遮断してしまったので、連絡する時にはこの個人アドレスを使って」と依頼されたことだ。これも驚きである。要するに、その機関は鎖国したか、難民受け入れ拒否をしたわけだ。「それとも、特別の許可を得ると、川北さんのメールを受信できるのですが」と言う。別にオランダのように長崎だけ開放してもらっても仕方ないので、「そこまでしていらんけど」である。
このGmail、知る人は知っているように、実は唯一の点を除いて、発信者にとっては普通の職場のメールよりも安全であり、はるかに便利であり、安定的である。
安全なのは、迷惑メールやウィルスチェックである。ウィルスについては何回も遮断してくれ、とりあえずGoogleのシステム内(つまりクラウド内)に保管したうえで、「ウィルスの可能性のあるメールが届いたけど、開くか」と尋ねてくれる。この点、職場独自のシステムはどうだろうか。もう1つ、アドレスが漏れた場合である。他人が、そのアドレスで僕のメールに入ろうとしても、入れない。というのも、僕のメールに入るには「鍵(数字)」が必要で、この鍵は僕が指定していた携帯電話に連絡されるからである。
便利なのは、僕が送受信したメールはGoogleのシステム内にあるから、いつでも、どのパソコンもしくはスマホからでも見ることができる(もちろん、先に指摘した鍵が必要であるが)。またメールの表示、保管、検索など、(今の職場独自のシステムは知らないが)どのシステムよりも便利にできている。
しかも、安定的である。というのも、最近、京都大学のメールシステムが数日間ダウンしているようで、当日の夜、大学のアドレスに届いたメールが一斉に転送されてきている(大学のメールはすべてGmailに転送されるようにGmail側で設定している)。「急ぎのメールが混じっていたら、どうしてくれるんや」というとこである。Gmailも稀にダウンすることがあるものの、最長で1時間(10分もしくは20分?)経たないうちに回復するイメージである。
Gmailの唯一のリスクは、それがアメリカ政府によって監視されている可能性だろう。機密度の高い文書や情報のやり取りには別の方法を考えるべきだと思っている。
ということで、普通の状況においてGmailから鎖国しないでほしい。少なくとも、知人のGmailアドレスは通過できるようにしてほしい。そう思っている。念のため、Gmailの回し者ではないと宣言しておく。

2016/09/24


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