川北英隆のブログ

老人介護についての雑感-2

11/5の続きである。前回書いていて途中で「アホやなあ」と気づいたことがあり、「それを書いたらすごい量になる」と思った。だから、続きものにした。何のことかというと、介護保険料である。
介護保険料は65歳になった瞬間、それまでと計算方法や徴収方法が異なるらしい。このためか(確認していない)、昨年の夏から(そこで僕は65歳を超えた)、大学の給与からの天引きがなくなり、しばらく「現金で払え」との通知が来ていた。それが今年の4月から、給与所得がなくなったというか大学の常勤でなくなったためだろう、公的年金から天引きされるようになった。
急に「払え」と言われても、そんなん何のこっちゃ分からんし、現金で払えと言われても「オレオレ詐欺」の一種かもしれないし、というので現金で払うのを躊躇していた。このブログで少し書いたように思う。
4月以降、保険料の年金からの天引きが不愉快にも快調に進んでいるので、ふと気になったのが「現金で払え」の行く末だった。担当は京都市役所である。65歳以上は市町村の担当だとのこと。電話すると、「払ってもらってない」とのことだった。「払ってもらってない部分には延滞金が加算されている」とも。
健康なのに(そう思っているのに)、「世間並みの老人用の保険料を払わんとアカンのか」「不健康になった者の中には、可哀想なのもいるけど、自業自得のもおるやろ」「自業自得なのはどうするのや」と憤らないでもないが、仕方ないので請求書を再度送ってもらうことにした。
ついでに思ったのは、保険料の徴収に見るように、年金制度と介護保険制度のバラバラ度合いである。年金も介護保険も、年齢で区切られている。だとすれば、僕が65歳になった瞬間、連動させればいいだけではないか。なのに何故、保険料の徴収という制度維持のための必須部分、根幹部分が連動していないのか。きわめて不思議である。というか、役人の怠慢だろう。もっとも、「こんな制度、抜本的に変や」「なくしたほうがええ」という立場の者からすると、「ざまを見ろ」というところだろうが。
年金、介護、医療、この3つは老人にとって一体のものである。それなのに、バラバラに、極端に言えば思いつくがままに制度を作ったため、ある部分は屋上屋の屋を重ねている(本当に3つも制度が必要なのか疑問である)。ある部分はごっそりと抜け落ちている。10/27に書いた「一人暮らしの老人が入院するのはきわめて難易度が高い」実態は、抜け落ちている典型だろう。
思うに、「自分が老人であって、介護が必要ならどうなる、入院せんならんのならどうなる」ということを、制度設計者は真面目にイメージしていなかったに違いない。大変な落ち度である。

2016/11/07


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