20日ぶりぐらいに大文字山に入った。今朝、曇っていた。天気予報では小雨も。「絶好のトレーニング日和」である。天気が良いと、この季節、そこら中で観光客があふれるので。
蹴上の少し奥、登山口となっている日向神社の紅葉は近年、良くない。立派なモミジの枝が枯れてしまった。同じことは銀閣寺側の登り口にもいえる。同時に枝が枯れたのには理由があるかもしれない。
とはいえ、神社の参道には茶の木の小さい花が咲いていた。山茶花と同じ類だから、咲く時期も似ている。その山茶花は銀閣寺側で多く見られた。南天の実もいつの間にか赤く色づいている。
山道に入ると、コシアブラの比較的大きな葉が黄色く色づき始めている。ヌルデの葉も赤く色づいてきた。いよいよ秋である。そういえば、市内のケヤキの葉も色が微妙に変化している。
天気は期待通り曇っていた。とはいえ時折、昇ったばかりの晩秋の陽が射す。木の間を抜けた日差しが、互いに大きく間を空け、登山道に自分の姿を映し出す。それが「赤味を帯びた影」のようで面白い。
銀閣寺に下り、もう一度登り直した。すぐに、「大文字山旧道」と書いた白く新しい標識を見つけた。銀閣寺の裏側を流れる沢に沿ったいつもの登山道は、右手に小さな橋を分ける。それを通り越し、さらに小さな堰堤に付けられた道もやり過ごし、木の階段を上がった。その地点で道は沢を渡る。
後は比較的踏まれた道をひたすら登るだけである。木の階段が整備されている箇所もあり、山慣れていると迷うことはない。一箇所だけ、尾根に出た地点で道は左右に分かれる。それを右手に取ると、後はひたすら高みを目指して登ればいい。一般の登山道と合流するのは、火床の上の最初の鞍部である。この鞍部には何も案内はない。
静かな、荒れていない道である。展望はないが、秋から春にかけて気持ち良さそうである。良い道を見つけたので、今後はこの道を登り下りすることが多いと思う。というのも、銀閣寺側は(実は蹴上側もそうなのだが)登山者が多く、道が荒れ、岩がむき出しになってきているため、トレーニングするには膝を痛めやすいので。
蹴上側に下りると10時頃だった。ハイキングや観光で多くの人がいた。「小雨模様なのに、何でや」と思ってしまう。
2016/11/06