昨日、日本時間での話だが、トランプがクリントン候補を破り、次期大統領になることが確実となった。これは世間の予想を覆している。とはいえ、どこまでサプライズだったのだろうか。振り返ると日本の反応だけが異常反応だった。
資本市場の価格は、さまざまな情報を適切に消し、形成される。そうであるのなら、トランプの勝利もある程度の確率で折り込まれていたはずである。もう少し説明すると、トランプ勝利による経済政策も価格に相当程度反映されていただろう。
当日の価格形成を振り返ると、一番早く影響を受けた日本では、ドル安、日本の株価安で反応した。これに対し、その後に開いた欧米は、株価はむしろ上昇した。為替レートもドルは対円で上昇した。
僕はといえば、ドルの現金が必要なので、ドル高のチャンスをとらえ、円の現金をドルに替えたいと思っていた。しかしながら実は昨日、銀行が営業している時間帯、いろいろと用事もあって、そんな即時に動けなかった。
いずれにせよ、トランプが強いアメリカを目指しているのなら、極端なドル安はない。株価も、トランプとして高い水準を維持したいはずである。こう考えると、昨日の日本の反応は異常だろう。もちろん、ドル高、アメリカの株高がどこまで続くのか、これらがトランプの政策とどの程度整合的なのかという問題が残る。とはいえ、株安、ドル安は、明らかに政策に反する。
ということで、日本の昨日の反応はきわめて異常である。日本の投資家の一人相撲というか、幻影に惑わされた結果としか思えない。
2016/11/10