予想に反してトランプが新大統領に当選し、予想に反して円安、株高になった。何が起きているのか。その真意は何なのか。まだ不明な点が多いものの、少しずつ明らかになってきたことがある。
以下、推察と、いろんな意見を聞いて自分なりに思っていることである。トランプの意図が今後明らかになれば、修正しないといけないこともあるだろうと思うが。
1つは、トランプの大統領選への立候補は、冗談というか遊びというか、本当に大統領になろうというものではなかったのではないか。もちろん、社会の現状に対する怒りはあったのだろうが、当初は言いたいことを主張し、それを社会に流布して注目してもらうための手段としての大統領選だったように思える。
結果は、思いの外、多くの支持を得て、共和党の候補となり、最期には大統領に当選してしまった。これが真相ではないかと推察する。そうでなければ、言いたい放題に近い発言と、現時点での変貌とを整合的に理解することは不可能である。
もう1つは、商売人(実業家)としてのトランプである。これまでのトランプの成功は商売人としての才能がなければ説明できない。幸運だけではない。とするのなら、大阪の証人と同様、計算づくの行動をとる。つまり、はったりをかますし、脅しもするし、ふっかけるし。
欧米人からすれば、このトランプの行動パターンが、最終段階(大統領選挙の投票日の少し前)にある程度見えていたのだろう。もしくは、トランプが当初発言したようなことが政策として打ち出されるリスクを無理やり無視したのかもしれない。
いずれにせよ、当選後の欧米の金融市場は、ドル高、株高で反応した。日本だけが古いトランプのイメージを引きずり、「アホやった」というのが現状である。ひょっとすれば、再来月20日、トランプが大統領に就任した後にどんでん返しがあるかもしれない。もっとも、共和党の相当数がアホでないかぎり、どんでん返しが起きるようには思えないが。
2016/11/17