川北英隆のブログ

ビール課税に見る文化度と退化

ビールとビール類似製品の課税体系が変更されるそうだ。要するに本物のビールの税金を下げ、発泡酒や第3のビールの税金を上げ、5年程度をかけてすべて55円/350ccにするとの案である。前から思っていたが、バカバカしい。
同じ税金にするのは賛成である。税金をなくしてもらうのが一番だが、これはビール好きとして我田引水の主張だから、そこまで言わない。しかも、この歳になって「安いビールがこれから出まっせ」と言われても、そんなに大量に飲めるわけでもなく、「今更というわけかいな、悔しい」と憤慨してしまうのが落ちだろう。
ビールの税金を高いまま、ビールまがいの安い税金をそのままにしておいた、これまでの国の政策は何か。市場の失敗(ほったらかしの不都合)を正すのが政府の重用な役割である。ピール課税の件は市場の失敗の逆、政府の失敗か怠慢だろう。
発泡酒や第3のビールが美味いとは誰も思わない。それなのに、日本の現実は、各メーカーとも、そんな不味い飲料を開発するのに必死になってきた。国民も、その不味い飲料を「安い」「安い割にはビールに近い」との理由だけで飲んできた。
極論すれば日本の文化度の低下であり、退化である。「こんな文化にだけがした」「それはお前や」と、そんなバカバカしい税制を正そうとしなかった政府を名指しすべきである。
ということで、せめてものことだが、一刻も早く日本の文化度を元に戻す政府の実行力に期待したいものだ。

2016/12/11


トップへ戻る