川北英隆のブログ

田部井淳子さんのお別れの会

今日、お別れの会があった。場所は渋谷に近い三軒茶屋、田部井さんの母校、昭和女子大である。暖かく、いい天気だった。田部井さんの人柄が偲ばれるようだと思いながら、献花してきた。
14時半から始まると書いてあった。最初は人がいっぱいだろうと思い、30分少しずらした。それでも記帳に並ばないといけなかった。何人来たのか。1000人は超すと思っていたところ、ネットのニュース(NHK)では1400人と書いてある。
お別れの会に出て、冊子をもらった。そこには1939年9月生まれとあるから、77歳になったばかりで亡くなったことになる。このくらいの年齢で亡くなるのは、遺族にとって心残りだろうが、本人にとってはどうだろうか。多くの知人が見送りに来てくれて嬉しいのではないかとも思う。
そういう僕も、ついでがあった(東京での用事が明日ある)ので参列した。というか、そのついでを作ったという方が正しいだろうか。
田部井さんとの最初の山、2010年年末からのアルジェリアの山登り(タハト山)とタッシリナジェールに参加した時、正直なところは田部井さんを知らず、あまり期待していなかった。しかし、実際は非常に良かった。それで5回、ご一緒させてもらったことになる。アルジェリアの次は、東日本大震災直後、アイスランドだった。その祟りか、火山の噴火に直撃され、思い出深い旅行になった。
当時は当然知りもしなかったのだが、田部井さんは2007年に乳癌になったとのこと。その後、2012年に癌性腹膜炎で余命3ヵ月と診断されたそうだ。しかし、それでも復帰されたので、2013年年末のニカラグア、2014年年末のイエメン、2015年年末のオマーンにご一緒させてもらった。
田部井さんは根が健康だったのだろう。とはいえ、ニカラグアでは、前より衰えたという印象だった。イエメンではさらに、オマーンでは本当に大丈夫だろうかと思った。そして、今年の年末、海外登山はあるのだろうかと危ぶんでいたのだが・・。
献花の後、ご主人の政伸さんに会い、握手してもらった。「今年の年末はどこだろうと楽しみにしていたのに」と挨拶しながらも、「ここでも1つの時代が終わったのだ」と感じた。

2016/12/18


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