コンゴ川に対する旅行前のイメージは、密林、未開、奥深いというものだった。しかし、実際に旅行してみると、川はコンゴの国道1号線、メインストリートである。林もプランテーションの名残としてアブラヤシが多く、原始の森ではない。
船で下っていくと、集落が次々に現れる。丸木をくり抜いた小船での漁、食器を洗い洗濯する女性、水浴び、何をするでもない子供や大人、そんな光景と次々に出会う。トイレも当然川である。
写真がその典型的な1コマである。小船、洗濯が見られる。家はこんなものである。
川には動物や大型の鳥の姿はない。その代わり、小舟が近づいてきて、いろんなものを売ろうとする。多くは魚や野菜である。動物や鳥もいる。船のスタッフがそれを購入して料理してくれる。川に動物がいないのは、要するに原住民に食われてしまっただけのようだ。
川の水は茶色く濁っていて飲めない。アフリカの他国と同様、コンゴでも人口が爆発しているから、いずれコンゴ川には大量の生活排水が流れ込み、巨大な下水道になると思える。今でも、集落が密集する地域では川の水が少し泡立ち、藻が発生している。
川には多くの中洲がある。その中州の近辺には浅い箇所がある。我々がチャーターした大型の船が航行するには難所が待ち構えている。航路を確保するための浚渫や、その他の整備はほとんどされていないに等しい。
以上、コンゴ川は大河ではあるのだが、自然の姿は思っていたよりも少なかった。近い将来の荒廃が心配になった。
2017/01/16