川北英隆のブログ

コンゴ川の嵐に遭う

コンゴ川の水面は鏡のように静かである。だから、朝日の時も夕日の時も、2つ太陽があるように見える。これは1つの前の写真で感じてもらえるだろう。そんな毎日が続くと、1回は嵐に遭いたいと思ってしまう。
「嵐に遭いたいなあ」と言うと、「それは嫌」と他のメンバーに反論された。結局は、そんな僕の願いが叶った。
嵐との遭遇を願った理由の1つは、「たまたまザイール またコンゴ」を読んでいたからである。川の表情があっという間に荒々しくなるらしい。
遠くに熱帯特有の非常に大きな入道雲が湧き、黒くなり、近づいてくる。川が波立つ。稲妻が走り、大粒の雨が降り始めれば、あっという間に嵐になる。川面には大きな白波が立つ。写真は嵐の直前の雲と川面である。
嵐になるというので、船は緊急避難、近くの村に停泊した。船が停泊すると村の住民が集まり、物売りが始まる。カブトムシの幼虫もいた。食べたかったが、焼かないといけないし、結局は食べられなかった。
良かったのは土砂降りの雨をシャワーにしたことである。頭を豊富な水で洗えた。
嵐があったのは夕方近かったので、その夜は船底で寝た。村の空き地が狭かったことと、地面が濡れていたためである。心配だったのは船底に虫やら動物やらがタラップを伝って入ってくることだった。案の定、その夜、大きなネズミが複数匹、船に侵入してきた。2回は物音で気づき、追い払ったが、そのうちに少し寝てしまった。最後は船底でネズミの運動会が始まった。
コンゴ川の嵐.JPG

2017/01/21


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