川北英隆のブログ

沖縄は中国領になったのか

2年ぶりだったか、沖縄に行った。講演を依頼されたためである。ついでだからというので、石垣島と西表島に行くことにした。石垣島での予定を立てつつ、那覇から石垣島の航空便を調べたところ、那覇で一泊するのが便利だとわかった。
ネット社会はますます便利になっている。テレビでコマーシャルもされていると記憶しているが、宿泊を予約するのはトリバゴが便利である。そのサイトではホテルの値段を比較してくれる。
那覇市内の交通手段で一番便利で安いのがモノレールなので、値段を見ながら、その沿線近くで探した。当日、市内に住む友人、北原氏と会いたいとも思っていたので、その住所の近くという条件も加えた。結果、立地条件が良く、まあまあの質と料金のホテルを予約できた。
それはともかく、那覇空港を出てモノレールに向かった瞬間、大きな荷物をガラガラと引く大群に出会った。言葉が中国語である。日本人と思える人数よりも、中国人の方が多いとの印象を受けた。
「ここはどこ、ひょっとして中国」の世界である。「私は誰」とは思わなかったが。その中国人に混じって西洋人も混じっているから、「ここは外国では」と本当に錯覚してしまう。
おきぎん経済研究所の資料によると、昨年の冬は毎月11万人から15万人程度、春から夏には20万人以上の観光客が海外から来ているそうだ。
その中で中国人の割合が半分以上なのだが、中国人といっても台湾からの観光客が多い。とくに夏がそうである。ちなみに冬は韓国人が多い。韓国人にとって、温かい沖縄の冬が魅力的なのだそうだ。
那覇の人口は32万人程度である。そこに毎日5000人くらいの観光客がやって来る。その多くはモノレールを使う。一方、沖縄の住民の多くは車だろう。
沖縄の住民の何割が市内に通勤などの理由で出てきて、そのうちの何割がモノレールを使うか。主婦もいるだろうから32万人のうち2割が市内に出て来て、その1割がモノレールを使うとすれば6400人と計算できる。実際の割合は不明なものの、観光客の人数と相当程度接近してしまう。「ここはどこ」と感じたのにも十分な理由があるというものだ。
ここまで日本人と外国人の数が異常接近している都市は少ないのではないか。沖縄の旅行が、まずは特異な状態からスタートしたことになる。もちろん、ここまでの外国人に会ったのは、過去に経験がない。

2017/02/09


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