講演会のついでに出掛けた島が石垣島だった。何故、石垣島なのか。そこに沖縄の最高峰、於茂登岳(おもとだけ、標高526m)というのがあるからだった。大学の常勤ではなくなったので、時間的余裕もあった。
これまで、沖縄ってどんなとこだか、地理的に関心も高くなかった。沖縄本島とか石垣島とか、さらには有名になった西表島とか、位置関係もほとんど知らなかった。今回調べると、石垣島は沖縄本島から飛行機(ジェット機)で南南西へ1時間弱である。石垣島と西表島は船で1時間かからない。さらに西に行けば日本の西端、与那国島があり、そこから年に数回、台湾が見えるとか。
それはともかく、初めて沖縄本島を離れ、講演会用の荷物(さすがに山歩きの格好で登壇するわけにはいかないから、服装一式)を背負い、石垣空港に降りた。空港は新しく、島の南端にある石垣市から北東に、バスで30分少しである。古い空港は石垣市に隣り合わせていたが、狭かったらしい。
空港からタクシーで島の真ん中にある於茂登岳の登山口まで行った。2320円だったか、近い。タクシーは峠らしきところまで行ってくれる。そこから、右手の未舗装の車道を5分程度歩く。車道の終わりが登山口、車が5台以上駐車していた。心持ち下り、沢を渡り気味に山道に入る。よく整備された道が続く。かつてはコンクリートが打たれていたらしく、その名残が多い。
ヘゴやシダ類の多い常緑樹林の登りである。途中までは沢沿い、その後は沢を離れて少しきつい登りとなる。頂上から続く尾根の展望が開けると、道は右に折れ、やがて尾根に出る。笹と灌木の緩い登りとなり、すぐに気象庁のドーム状の観測施設に着く。頂上へは観測施設の手前から右手に続く笹薮の中の道をたどる。電波塔の横を通り、数分で三角点のある頂上である。タクシーを降りてちょうど1時間だった。
12月から2月にかけての沖縄付近は、北から張り出した大陸の高気圧の南の縁に当たるため、雲の多い天候が続く。登った日も空には雲が多く、北風が吹いていた。とはいえ、山には雲がかかっておらず、木もないので、海を見ることができた。まあまあの天気だったことになる。
写真は於茂登岳を下り、麓から見た山頂である。低い割には堂々とした山だった。山頂の左手に電波塔が見える。
2017/02/10