川北英隆のブログ

株式投資で稼ぐ方法はどんなの

このテーマについては何回も書いてきた。結論は、これが確実だというがあれば、僕自身が知りたいものだ。百発百中なんて、どこにもない。むしろ、株式市場では1勝14敗でも勝ち越せる。
この1勝さえ当てればいい。当てるという表現は良くなくて、推論して探し出せばいい。では、どうするのか。
昔の僕は仕手株(要するに、業績的には冴えがないものの、何らかの材料で暴騰するかもしれない、そんな実績のある企業の株)が好きだった。一方で優良株(業績的に申し分のない正統派の企業の株)も長期投資で持っていた。良く言えば、甘辛の両刀だったのだろう。そんな投資でも儲かったかつて日本の株式市場、天国だったと思う。
今はというと、この数年、株式を新規に買うという行動が某立場上できない。そこで仮に自由に売買できるようになればどうするのか。多分、上で書いた優良株に相当程度ウェイトをかけるだろう。「相当程度」と断った理由は、それでも仕手株の魅力を捨てられないからである。もちろん、冷静に考えると、仕手株を買う効率が極端に悪化していると理解している。
サラリーマンをやっている個人投資家が株式に投資する機会なんて、(投資資金が多いわけでもないので)多くて月に数回だろう。僕なんかは年に数回でしかなかった。とすれば、じっくりと企業を選ぶべきである。本当は企業訪問が望ましい。しかし、個人では無理だろう。
そうはいえ、今はネットの時代である。個人でも簡単に企業の投資情報を見ることができるし、社長がアホか賢いかを見極める材料も相当ある。
社長ともなれば、対外的な文章を部下が書いているケースも多い。で、その社長が賢いのなら、部下の文章をチェックした段階で、どこかに「すごい」と感動させる言葉をちりばめているはずである。ということで、文章に何の感動が何もないのなら、その社長をアホだと断定し、諦めればいい。
再度コマーシャルしておくと、農林中金バリューインベストメンツから寄附を受けた講義をまとめ、出版したこれまでの3冊では、毎年、日本を代表する企業5社のトップが喋っている。また、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』では、日本で「これや」と思える企業は100社程度、多少甘く見ても200社程度であると述べたと思う(間違っていたらカンニンどすえ)。100や200なら、個人投資家として調べられる範囲である。
企業を調べる基本は何か。昔々、僕がやっていたのは、毎日寝る前に会社四季報(今は会社情報もある)をパラパラめくり、企業のイメージを掴むことである。それが無理なら、トイレでもいいと思う。そうこうしているうちに、お気に入りの企業が出てくるはず、その企業を詳しく調べればいい。
濡れ手に粟の投資なんてない。「やった、でかした」と思っても、1敗すると14勝分が飛んでしまうことだってある。地道な努力と、それに基づく長期投資が成功への近道である。これは、僕の投資経験から得た結論である。

2017/02/17


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