金曜日(2/24)の日経新聞朝刊を見ていて、僕のイメージと異なる記事があった。2面「ニッポン株式会社 再び最高益へ」という特集である。見出しに「攻めの賃上げ」とあり、人件費が堅調に伸びているようなグラフが付いている。
確かにグラフをちらっと見るかぎり、堅調に伸びている。「えっ、そんなことないやろ」と思い、目盛を確認した。何と、50兆円から52兆円までしか目盛がない。
肝心の人件費はというと、2013/3の51.8兆円くらいから、16/3には52.7兆円くらいに増えているのは増えているが、3年間で1兆円程度、2%の増加である。1年間で0.7%内外にしかならない。こんなのを「堅調」と表現するとどうなるのか。
グラフの書き方でごまかすやり口は、怪しげな資料で見かけがちな常套手段である。注意したほうがいい。
同時に、新入職員として上司の眼力を試すには手頃な方法かもしれない。「堅調に増えている」とは書かずに、「増えているから・・投資して大丈夫」程度に表現を抑えれば、「アホか」と言われた時に、「普通にグラフにすると違いが目立たなかったもので」と言い訳できてしまう。
ということで、この記事、新入の記者が書いたのかも。
2017/02/25