日本政府は、今年5月末をもって南スーダンでのPKO(国連平和維持活動)から撤収することを決めた。このPKOは2012年1月以来、実施していた。
南スーダンなんて行ったことがないものの、報道では危なそうである。内戦状態が続き、首都ジュバでさえ(むしろ首都だからかもしれないが)、銃撃戦が起きているらしい。そんな中、自衛隊の任務が昨年11月に重くなった。「駆けつけ警護」が新たな任務となったためである。いつ戦闘に巻き込まれるかわからない。
僕が旅行したコンゴ民主共和国も国連軍が駐在している。そのおかげで内乱がほぼ制圧された状態にある。とはいえ、武装勢力が時々出没する地域もあるらしい。東部のゴマ市内を車で移動していると、国連軍の車をたくさん見かける。大きなキャンプがある。首都のキンシャサでも、やはり国連軍の車が走っている。
国連軍の車は目立つ。黒人が乗っていたのなら日本人には現地人なのかどうか瞬時に判断できないが(現地人なら可能だろう)、東洋人であればすぐに区別できてしまう。この事実は、PKOで自衛隊が派遣されたのなら、攻撃の格好の的になることを意味する。そうだとすれば、南スーダンで活動するのは精神的に大変だと思ってしまう。
2015年7月、安倍政権は「安全保障関連法」を制定し、自衛隊が海外で行える活動を拡張した。海外での戦闘行為は憲法9条があるためできないものの、それに一歩接近したことになる。
今回の撤収は、昨年7月に書かれた自衛隊の「日報」に「戦闘」という文字があったことと無関係ではないだろう。PKOが戦闘行為に急接近していたと思えてならない。この点に関して、次のサイト(講談社が運営しているとのこと)が興味深い。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51186
いずれにしても、ごまかしでは自衛隊の海外派遣はできない。コンゴ民主共和国において国連軍に間接的にお世話になった者として、日本としてもPKOは必要だと思う。しかし、どのような方法がいいのか、もっと真剣に考えないといけない。防衛省のトップ自身も、電撃でいいから現地を訪れ、実態をつぶさに見るべきである。このくらい重みのある仕事がPKOである。
2017/03/11