今日の昼、宇沢弘文氏のお嬢さん(占部まり氏)の講演会があった。グッドバンカーの筑紫さんが主催者となり、占部氏を招いた。題目は「娘から見た、父宇沢弘文の生涯と宇沢国際学館の活動」だった。
宇沢さんとは会ったことがない。2003年以降、しばらく同志社に居られたらしいのだが、あまり関心もなく(そもそも経済学に対する積極性が最初からなかったので)、会えなかったと思う。
以前に訃報を書いた浅谷輝雄氏(宇沢さんと東大数学科で同級生、もしくは同じ教室にいたのかもしれない)が言っていたことを思い出す。「数学科で1人だけ、僕よりもできるのがいた。宇沢だ」と。今日、講演の後の質問コーナーで、このことを披露した。
その宇沢氏、白い髭のお爺さんという印象しかなかったのだが、若い頃の写真が投影されたところ(残念ながらネットでは、ざっと探したかぎり見つからなかった)、えらくハンサムだった。人間って、髪型(髭型かな)で大きく変化するものだと思った。
他の人が経済学のことをいろいろと質問するものだから、娘さんが困っていた。というのも、彼女は経済学者ではなく、内科医だから。そこで、(ラッキーと思いながら)次の質問をした。1つは、家ではどんな父親だったのか。もう1つは株式投資をしていたのか(グッドバンカーが株式投資に関する投資顧問業の会社だから、半ば義務的に)。
家では子供に熱心に算数を教えていたとのこと。自分で問題を作っていたとか。厳しい態度だったらしい。問題が解けないことを許せないというか、そもそも理解できなかったようだ。
株式投資は当然のことながら、手を出さなかったとのこと。そんなことで得た利益には100%の税率を課せばいいとの発言もあったらしい。日本のバブル前後の発言だろう。宇沢理論からすると当然だと思う。
やはり、同志社の時に会いに行かなくて良かった。会って、ファイナンスが専門だと言った瞬間、何を言われたのかわからない、そのような感想を持った。
注:宇沢さんは有名な数理経済学者。2014年に死去。日本人が受賞していないノーベル経済学賞に一番近かったらしい。
2017/03/02