今日、「シーズとニーズの会」という集まりがあり、そこで京都企業について喋れと言われた。順に、僕、福田金属箔粉工業、村田機械、イシダの各社が喋った。今回の会合のとりまとめは尾池工業だった。いずれも京都の有力企業であり、非上場である。
福田金属箔粉は金や銀から始まり、今は銅やアルミをはじめとしていろんな金属を箔や粉にしている(現在、銀は少量ながらやっているらしいのだが、金はやっていない)。村田機械は(村田製作所とはまったくの別者である)、西陣関係の編機から出発して、繊維機械、工作機械、物流システム、半導体搬送システムなどに展開している。イシダは秤から出発し、「計る」をコアとした事業展開をしている。
これらの企業は非上場である。都としての京都の伝統を引き継いでいる。かつ、オーナー家が中心にある。「何で非上場なのか」と聞いたところ、「事業展開のお金も十分あるし(要するに儲かっているらしい)、何で(何が悲しくてということかな)上場せんとあかんのや」と逆に問われたように思う。
これが京都企業の最大の良さだろう。他人と同じことをやったところで、何の意味もない。もちろん、金融庁的に言うと、コーポレートガバナンス的な問題があるわけだが、かといって役所からの命令に唯々諾々と従い、他社と同じことをやるのも、そこには大きな潜在的ガバナンスの問題がある。
これら京都企業のそもそもの事業展開からは、伝統的な技術の伝承と、物真似をしないことの出発点と、ニッチながら市場を独占的に支配すること、意思決定のための創業者一族中心の組織など、京都発祥の独自性を強く認識できた。
やはり、京都企業はあなどれない。というか、他の地域の、とくに東京企業には個性がなく、それ故に投資する気になれない(つまり「おもろない企業やな」)というのが、今日の正直な感想だった。
2017/05/25