少し前の話、「京のよすが」という和菓子をもらった。包装紙を開くと、杉の箱が現れ、中に干菓子が入っている。畳に見立てた四畳半と呼ばれる仕切りの中、いろんな菓子が彩り豊かに並んでいる。写真がそれである。少し食べた後、「写真」となった。
店は「亀末廣」である。京都に引っ越してすぐの正月明け、散歩していると老舗の和菓子屋があるので、ふと入った記憶が蘇った。それが亀末廣だった。伝統を感じさせる店内の奥に主人らしき人が座っていて、「何の妖怪、違う、用かい」とこっちを睨んだ。こっちは家の近くだから、ユニクロのフリースと突っかけ姿だったと思う。
それ以降、亀末廣に入ったことがない。確かに玄関には「京のよすが」とある。その名物を初めて食べて感激、長年の謎、「京のよすがって何や」が解けた。
ついでに書くと、その翌日、鶴屋吉信の和菓子ももらった。鶴と亀と、千年も万年も長生きしたくはないのだが。
2017/06/25