先日、新幹線を東京駅で降り、日本橋口(八重洲側の北口)に出た。よく東京駅で使う出口のため、見慣れた風景のはずだったのだが、何かが違う。パソナが移転したようなのだ。
その日はすぐに忘れてしまったのだが、ネットのニュースを見ていると、日経に「東京駅前に牧場現る パソナ、新本社ビル内」との見出しが目に入った。僕にとって、これは一大事かもしれないと思い、少し調べてみた。
これまでのパソナの本社は、永代通りと外堀通りの交差点にあった。東京駅の北側から見ると、丸の内トラストタワービル、鉄鋼ビルと大きな建物の並んだ、その向かい側の角である。背の低いビルながら、外壁が花畑になっていて、それなりに目立つ。そのパソナが入っていたビルは元の大和証券本店ビル、つまり大和呉服橋ビルである(現在の所有者は不明ながら、大和証券関係のREITか)。
大和呉服橋ビルは思い出深い。1984年4月から9月までの半年間、大和証券で研修を受けたときの場所だから。研修内容は、主に債券発行市場のことだった。
居場所として応接室があてがわれ、日本郵船と平和相互銀行から来ていた同じ研修者(湯川氏、関田氏)と共有していた。メニューが異なっていたので一人の時も多かったが、昼飯を一緒に食べに行ったりしていた。
楽しくも眠い半年だった。おかげで、研修が終わってすぐに盲腸炎になってしまった。
そのビルが解体されると初めて知った。その西隣のJXビル、日本ビルが解体、再開発されて超高層ビルに生まれ変わることは知っていたが、漠然とこの2棟だけだと思っていた。実際はそうではなく、さらに西隣の朝日生命大手町ビルと、ついでに大和呉服橋ビルも再開発の対象だそうだ。
https://www.kensetsunews.com/archives/57888
大和呉服橋ビルを除き、他のビルは三菱地所が所有もしくは持ち分を持っているらしい(確認していない)。大和呉服橋ビルも、空中権をJXビルに売っていたとの噂である(これも確認していない)。だから、大和呉服橋ビルの背が低く、それに比べてJXビルの背が異様に高い(現在、解体が始まっているから、「高かった」かな)との説明を受けていた。
これら解体されるビル群は、僕が東京に出稼ぎに行った1977年には姿があった。とくに朝日生命のビルは新しくて格好が良かった(1971年7月竣工だったらしい)。それらが消滅する。
再開発が終わるのは2027年とある。出稼ぎのため、初めて東京に行ってから50周年ということか。そう納得してみた。生きていたらということになるのだが。
2017/07/10