川北英隆のブログ

下北の吹越烏帽子に登る

青森大学の知人を訪問し終え、今回の旅行の主目的をほとんど果たした。まだ時間があるのでどうしようかと思い、下北半島に足を伸ばすことにした。
津軽半島側には、森林の調査だというのでヒバを観察しがてら、大倉山という一等三角点の山に登ったことがある。残念ながら、当時、下北半島は調査の対象にしなかった。
下北半島に行くには、青森から「青い森鉄道」(新幹線が開通する前の東北本線)で野辺地まで行き、そこでJR大湊線に乗り換える。青森から野辺地までは通学と通勤で混んでいた。一方の大湊線は、観光客だけに近いのだろう。朝早かったこともあり、がらがらだった。
下北半島は荒涼としていた。風が強いらしく、風力発電の施設が目立った。
まずは、吹越烏帽子(ふっこしえぼし、508メートル)を目指した。背が低いものの、一等三角点があり、東北100名山にも選ばれている。
当日の夕方には恐山まで入りたかった。あまり時間がない。そこで、吹越烏帽子の登山口までタクシーを使うことにした。タクシー利用にはもう1つ理由があって、登山口までのアプローチがややこしい(地図を見るだけでは道がよくわからない)こともあった。
吹越烏帽子の最寄り駅は吹越だが、タクシーはその1つ先の駅、陸奥横浜にしかない。横浜でタクシーを呼び、「登山口まで」と告げると、「あいよ」という感じだった。
「登山者が多いの」と聞くと、「滅多にない」、「地元の小学生がイベントで登る程度」とのことだった。ついでに、「クマが出るかもしれない」とも。
タクシーは百目木(どめき)の東、松栄から吹越烏帽子の西側に付けられた林道に入るのかと想定していたのだが(地名の説明は省くので、興味があればネットの地形図を見てほしい)、実際は吹越の東側まで戻り、第一明神平を経由して、吹越烏帽子の西側に付けられた林道に入った。多分、遠回りである。
しかも、運転手は正確な登山口の位置を知らないらしく、探していた。「烏帽子林道」との表示の所で、その林道に入った。送電塔の近くで林道が行き止まりになる。それで下車した。4700円くらいだったが、4500円でいいと言ってもらった。貧乏人と思われたのか、道を間違えたと思ったのか。
下車した地点から少し歩いたが、登山道らしい雰囲気がない。「どうも違うで」というので、「烏帽子林道」の入口まで戻った。と、少し北側に登山口の表示がある。後でネットの地形図で確認したところ(持参していた1/5万の地形図は古く、道の表記がない)、タクシーを降りた地点からほんの少しだけ北に行けば、登山道にショートカットできたようだ。
登山口からはよく踏まれた気持ちの良い道が続いていた。広葉樹の混じった林から、松の多い林になり、傾斜が増す。最後はお花畑だった。ナデシコやアヤメが目立った。アゲハチョウも多かった。もっとも、お花畑の道には火山性の岩が多く、かつ浮いていて歩きにくい。
当日は曇り気味で展望がなかった。残念だったが、花の季節に来たことで満足した。
帰りは往路を戻り、歩いて吹越駅に出た。タクシーで通った第一明神平から1時間かかった。
写真は第一明神平付近からの吹越烏帽子である。上は晴れているが、山に低い雲がかかっている。
第一明神平から吹越烏帽子.JPG

2017/07/23


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