キャンプ地で宿泊し、翌朝にマルムに登り、北のキャンプ地まで移動する予定だった。小屋には虫も何も出なかった。代わりに雨が降った。少し雨漏りがしたと相棒が言っていた。
前日の夜の食事は缶詰と主食だけとはいえ、なかなか美味かった。主食はコメ(白米)、タロイモとキャッサバをココナッツミルクで炊いたものだった。日本人3人にとってタロイモとキャッサバが大人気だった。
朝の食事は簡単なパン類だった。タロイモは出てこなかった。
前日と同様の霧の中、出発した。マルムの火口壁まで1時間半程度で着いた。この間の状況は次のとおりである。
まず、前日のベンボウへの道と同じ箇所からカルデラに入る。ベンボウはカルデラを北に向かって進むのだが、マルムは北東に進む。両方とも涸れた川(周りより少し低く、細かく黒い砂が敷き詰められた跡)が、道と言えば道である。ガイドが適当に歩くに等しい。とはいえ、川が細くなると踏み跡がはっきりしてくる。この踏み跡に的確に入るのがガイドの役割である。
マルムの山肌(ベンボウと同様、雨で浸食されて荒々しい)が近づくと、溝のような道をたどり、細かな火山灰が泥状になった平らな箇所に出る。雨期には池になるのだろう。
この付近の岩場からは火山性ガスが噴出している。また、少し離れた所にベンボウやマルムとは別の火口がある。このため、刺激臭が少しする。タオルで鼻と口を覆って歩いた。
その火口の北側から稜線を登る。これもベンボウと同様、細い尾根になっている。その後、火口壁の巻くように歩き、火口壁が鞍部状になった場所に着く。ここからマルムの火口を望むことができる。1000メートル弱の地点である。
霧と火口からの噴気のため、火口の溶岩湖をはっきり見ることはできなかった。とはいえ、風が吹いて何回か溶岩湖が見えた。写真がその一瞬の光景である。写りが悪い。東コンゴのニイラゴンゴよりも小さいことだけは明確だった。
実はこの地点で、北から登って来るガイド(及びポーター)と合流し、北のキャンプ地に向かう予定だった。しかし、2時間待ってもガイドは来なかった。仕方ないので、南のキャンプ地まで引き返し、その日のうちにクレイグコーヴ村まで戻る計画に変更となった。
2017/08/26