今年1月から個人型確定拠出年金制度が新しくなり、iDeCoとの愛称が付けられた。基本的に20歳以上60歳未満の全ての日本在住者が加入できるとのこと。僕には関係ない。
それはともかく、加入できるのなら、iDeCoを始めない手はない。
メリットは次にある。iDeCoは社会保障制度の一環だから、所得税の計算時、掛け金額を所得から控除できる。また、iDeCoの資産が運用益を生み出しても、その時点では課税されない。また、将来、積立金を年金や一時金として受け取った場合にも、年金としての税制上のメリットがある。
ただし、現在停止されている「退職年金等積立金に対する法人税」(積立金額に対して年率1.173%)には注意を払わないといけない。いつ復活するのかである。もっとも、復活するときは日本経済が活況になり、資産価格も大きく上昇する可能性が高いだろうが。
また、流動性(つまり、換金の自由度がないこと)である。だから、最小限の資金しかiDeCoに注ぎ込めない。一方で制度の上限も限定されているので、首が回らなくなるほど注ぎ込む心配はほとんどないが。
最大の心配の種は、国家財政が破綻した場合、つまり年金危機の場合である。このとき、税的な優遇策がどうなるのかは不透明だが、政府が個人財産を没収しないかぎり、iDeCoで運用している資産は個人別資産として管理されているため、安全性が高い。預金などとほぼ同じである。iDeCoの資産が没収される可能性がゼロではないものの、そのときは銀行預金もどうなるのか不透明である。
実際、iDeCoの新しい制度はまずまずの人気でスタートしたようだ。加入者の数としてサラリーマンや公務員が多いものの、平均掛け金額では自営業者やその配偶者が大きい。自営業者では退職金の代替としての利用が多いと考えられると同時に、高収入の者が税的メリットを感じている可能性も大きい。
サラリーマンとして加入できるのであれば(企業型年金規約がある場合、iDeCoに同時に加入してよいとの定めが必要)、十分検討に値する。というか、絶対に検討すべきである。
2017/09/03